好き好きでんきあんま

 湾曲に曲がった電動マッサージ器。
 こんなものに欲情してしまう僕は、やっぱり変態なのでしょうか。
 ママが量販店で買ってきた安物の日用品で、毎日ケツアクメしちゃってるなんて……。
 ほら……、もう興奮して、コンセントを刺す指が震えています。
 僕はベッドに寝ころんで、股を開きます。そして、マッサージ器をお尻の穴にあてがいます。
 スイッチを「弱」、変化を「揉む」にします。
 トン、トン、トンと一定のリズムで、僕の裏筋が押されます。
「く……、うんっ……!」
 ちょっと声が出ちゃいました。恥ずかしいです……。隣の部屋にはお姉ちゃんが寝てるのに……。でも、ばれてないよね……?
 マッサージ器の柄を少しひねったり、強く押しつけたり、太ももを這わせたりして、変化を楽しみます。
 内股が……すごく感じます。窪みにあててると、ゾワゾワしてきちゃうんです。
「はぁ……、はぁっ……」
 少し鼻にかかった息になっちゃいます。でも、声を上げないでオナニーするときは、呼吸を大きくするのがいいようです。経験ですね……。
 もう、おちんちんはピキピキになっちゃってます。僕はいよいよ「揉む」を「叩く」に変えます。
 ドンッ! ドンッ! ドンッ! ドンッ! ドンッ!
「きゅ、うんっ……!」
 思わず出ちゃった声を、無理矢理飲み込みます。
 単調なリズムと圧倒的な力強さは、まるで僕のお尻を穿つ掘削機です。つい力が入って、マッサージ器の玉の部分をキュッっと挟んでしまいます。
 お尻の肉がブルブルしています。おちんちんにまで振動が伝わってきて、僕のお腹をペチペチ叩きます。
「ふぅ……、ふあぁ……、あぁぁ」
 前立腺をギューッって押してると、なんだかジワーッと満ち足りてくるような気持ちになってしまいます。
 こんな単純な動きしかしない機械に、とっても気持ちよくさせられている屈辱感と、それが僕なんだ、変態なんだという被虐的な快感がごちゃ混ぜになります。
 僕は体勢をうつぶせに変えます。ベッドににおちんちんをこすりつけながら絶頂を迎えるためです。干したばかりのさらさらのシーツが、竿の裏を撫で上げます。ああ……。これいい……、これいいです……。
 儀式の準備は整いました。僕はマッサージ器を、丁寧に小さなすぼまりに誘導します。そして……、スイッチを……、「強」に入ます……!
カチッ。
ドドドドドドドドドドドドドドオオォォッ!
「ひぃ! うあぁ……! ああぁぁああぁぁああぁぁぁぁ!!」
 強烈な連続ピストン。全身が機関銃で撃たれたように震えます。おちんちんもお腹とシーツの間でグシャグシャに嬲られます。
「くうぅ……! んぐうぅぅぅ……!」
 歯を食いしばって、どうにかのどから出る嬌声を殺そうとします。でも、前立腺の大地震は圧倒的で、そんな理性をあっという間に崩してしまいます。
「……や、やああぁっ、ひぐぅ……! うぅ、うぅっ……、うああぁっ!」
 あぁ、だめ、だめだめだめ……! でちゃう! ぼく、もうイッちゃううぅっ!
 どびゅうううぅっ! びゅるるうぅ! びゅくんっ! びゅっ! びゅうぅぅ!
 熱い粘液がいじめ抜かれた精通管を駆け抜け、シーツにまき散らされていきます。
「ふぅ……、ふあぁぁ……、はあぁぁ……」
 まだ、射精が止まりません。大量のエロミルクがだだ漏れになっています。
 僕は混濁とした意識のまま、なにもすることができませんでした。

 だから、気づけませんでした。まさか姉さんが、カーテンの隙間から僕のことを見ていたなんて……。

 くちゅ……、ぴちゃ……。
 お姉ちゃんが舐めているのは、100円ショップで買ったペン型のマッサージ器。
 単三電池1本入って、ぷるぷる震えるやつです。
 お姉ちゃんそれを丁寧に舐め上げ、唾液を絡めていきます。
 僕はその光景を見て、確認せずにはいられませんでした。
「お姉ちゃん……。それ、本当に、僕の……お尻の中に……入れるの……?」
「ええ」
 お姉ちゃんは、いつもの邪心のない笑顔で答えました。
「あたしはいつもこれでしてるの。麟くんにも、これでしてあげる。だって……」
 お姉ちゃんは僕に顔を近づけて言いました。
「あんな響く音、毎日上げられてたら、迷惑ですもの」
 僕は恥ずかしくて死にたくなりました。聞こえてたんだ……。やっぱ、聞こえちゃってたんだ……。
「で、でも……」
 僕は姉さんの持つマッサージ器を見ました。
 それは、僕が使っていた肩もみ用のマッサージ器に比べればずっと小さいけど、それでも僕のおちんちんなんかよりはずっと太くて、長くて……。
「そんな大きいの、僕の中……、入んないよ……」
「あら、ダイジョブよ、このくらい。あたしの中にだって入ったし……」
 お姉ちゃんのぶっちゃけ告白に、僕はびっくりしてしまいましたが、本人は特に気にもせず言葉を続けます。
「それに、麟くんなら楽々よ。あーんなすごいので毎日してたんですもの……」
 僕の顔はカーッと熱くなります。は、恥ずかしい……。僕……、すごく、すごく恥ずかしい……!
「だ・か・ら、お姉ちゃんが、静かにする方法を教えてあげる。ほら、お尻こっち向けて…………ね?」
「…………はい」
 僕はもう、お姉ちゃんの言うことを素直に聞くしかありませんでした。ベッドにうつぶせになって、お尻をお姉ちゃんに向けました。

「ローションのかわりにハンドクリームをつかうの。こうすると、ベッドにしずくがたれないのよ。覚えとこうね」
 お姉ちゃんはそういうとクリームすくい取り、僕のすぼまりに塗り始めました。
「きゃっ……! んんっ……」
 クリームが冷たくて、お尻がキュッってなっちゃいます。
「周りから塗ってぇ、少しずつ中に入れていくのよ……。ほら、奥まで入ってく……」
「ん、んんっ……!」
 お姉ちゃんの指が、柔らかい動きで僕の括約筋をほぐしていきます。僕はシーツを掴んで、声が出るのを必死で耐えます。
「あら、指一本なんて余裕ね……。すごい柔らかい……。じゃあ、もう一本♪」
「ひゃあ……! あっ! ああぁぁぁぁ……!」
 のどから絞るような声が出てしまいます。
 もう一本のお姉ちゃんの指が、少しずつ、僕の中に押し込まれてきます。敏感な粘膜をこすりながら、奥へ、奥へと入ってきます。
「ああぁぁ……! きついぃ……! おねえちゃん……それ、きついよぉっ……!」
「少しお尻に力を入れて。いきむ感じよ……。そうすれば、ほら、もう少し……」
「あぁぁ、だめぇ……!」
 そしてついに、僕のお尻はお姉ちゃんの二本の指を、根本まで飲み込んでしまいました……。
「ふぅ、うあぁぁ……、はぁ……、はあぁ……、はあぁっ……」
 呼吸を整えることができません。シーツを握る手が、ガクガク震えます。
 すごい……、僕のお尻に、お尻に入っちゃったぁ……。
「はい、よくがんばりました。これで準備OKよ」
 お姉ちゃんはそう言って、指をひねりながら、引き抜きました。
 ちゅぽ……。
「きゃんっ!」
「……ん、かわいい声♪」
 お姉ちゃんはなんだかご機嫌みたいです。
「ほーら、麟くんのお尻、こんなネチャネチャになっちゃった」
 僕からそれは見えないけど、確かにそうなんだとわかります……。お尻、熱い……。

「うん。それじゃ、入れるわね?」
 マッサージ器のスイッチを入れる音が後ろで聞こえました。そして……、
 ヴウウウゥゥゥゥゥン。
 小刻みな振動音……。震えてる……。すっごく速い音……。
 お姉ちゃんは、それを僕のお尻にそっとあてがいます。
「あっ……!」
 僕の腰がビクンと跳ねました。
 そんな僕の背中を、お姉ちゃんはグイと片手で押さえつけます。
「だめよ、まだ入ってもないのよ……?」
「でも……、でも……!」
 僕の抗議の声を無視して、お姉ちゃんはマッサージ器の先で、僕の穴の周りをなぞり始めます。
「く、くうぅん……」
 思わず、鼻にかかった声が漏れちゃいます。
 お姉ちゃんはマッサージ器でうずまきを描きながら、僕の穴の中に少しずつそれを押し込んで来ます。
 ゆっくり、ゆっくり、ひねりながら、ねぶるように……。
 無機質な細かい振動が、僕の前立腺を掻き鳴らします。
「や、やあぁぁ……! プルプル、プルプルしてるぅ……!」
「あら、いつもこんなのより凄いのでしてるじゃない?」
「だって……、だってぇ……! これ、なかぁ……、ちょくせつなかだからぁ……!」
「……ふーん。やっぱ男の子も、中に入れられると気持ちいいんだ」
 お姉ちゃんは、なんか感心してるみたいです。
「うんっ。なか、すごいのぉ……! ふるえる、ふるえてるのぉ……!」
 振動は直腸の奥へと進んできます。体の芯を、直接震わされてるみたいに感じちゃいます。

「やあぁ……! やんっ! あっ! ああぁぁっ……!」
 僕の体は勝手にクネクネとベッドの上で踊ってしまいます。腰を振り、おちんちんをベッドにこすりつけて、悶えてしまいます。
「ひやあぁぁぁぁ……! ぷりゅぷりゅ……! ぷりゅぷりゅするうぅっ……!」
 足がシーツを掻きます。肩が震えます。口が開いたまんまで、よだれが止まりません。
 たぶん今、僕はものすごいだらしない顔になっちゃってると思います。
「きゃうぅ! うあぁ……! ひっ……! ひああぁぁっ……!」
 はしたない声がループします。気持ちいい! 気持ちいいのが止まりません……!
「……麟くん。あのさ、聞こえる?」
 お姉ちゃんが僕に問いかけます。その声はなんだかとても遠くに聞こえます。
「……は、はいぃ……。おねえ、ちゃん……。な、なにぃ……?」
 僕は必死で答えます。頭は気持ちいいでいっぱいです。
「あたしもね、そうなっちゃうの。それ、お尻に入れる、凄く気持ちよくなっちゃうの」
「うん……。気持ちいい……、ぼくも……、気持ちいいよぉぉ……」
「でもね、あたし、本当にやったらどうなっちゃうのかって、考えることがあるの」
「……ほ、ほんとう?」
「うん。本当のセックス」
「……せっ、くす」
 僕の体はこの言葉に素直に反応してしまいました。ギュッとお尻が締まって、振動がさらに強く伝わってきてしまいます。
「きゃん!」
「真面目に聞いてよ……。つまりさ、ホントに男の人に腰を使われて、お尻をガンガン犯されたら、あたしどうなっちゃうんだろうって……」
 そう言うとお姉ちゃんは立ち上がり、ベッドの外にはみ出た僕の足首を掴みました。
 右手で右の足首、左手で左の足首です。
 そして、お姉ちゃんは自分の足を持ち上げ、僕のお尻にあてがいました……。
 僕は、背筋に寒いものがザァァっと走ります……。

「お、おねえちゃん…?!」
 なにするの? ま、まさか……?!
「…ためさせて、麟くん」
 そういうとお姉ちゃんの足が、震えはじめました。
 ガガガガガガガガガガガガガガッッ!
「いぎいいぃッ!!」
 強烈な快感の一撃が、波になってお尻から脳に走ります!
 むき出しの快感神経を、めちゃくちゃにひっぱたかれたような快感です!
「あ、あがっ! ひぃ! ひああぁぁっ!」
「あぁ、凄い声だねぇ、麟くん……」
「だ、だめぇ! おねえちゃん……! これ……、これだめえぇっ!!」
 ガガガガガガガガガガガガガガッッ!
 ものすごい電気あんまです。いつも体験してる偽物の振動じゃない、本物の重さと熱さを持った電気あんまです。
「なにが『だめぇ』なのよ、麟くん、ものすごく気持ちよさそうじゃないっ!」
 お姉ちゃんは右足にさらに体重をかけてきました。
 グググググウウゥゥゥ! ガッ! ガッ! ガッ!
 踵での強烈なキックがさらに加わりました。
 圧倒的な質量が、お尻にかかります。その力は直腸のマッサージ器一点を集中狙いにしています。
 掘削機のような圧倒的な振動が、僕の心も体も壊してしまいそうです。
 「おぉ! おほおおぉぉっ……! や、やめてぇ! おねえちゃん、おねがい……、これやめてえぇっ!」
 僕はもう泣いていました。涙を流して、叫んでいました。それでも、お姉ちゃんの振動は無慈悲にも途切れることはありません。

 ドドドドドォォッ! グゥ! グギュゥ! ズガガガガガガァァァッ!
「ひっ、ひいぃっ! もう、だめ! ぼく、ぼくぅ……!」
 お尻の中の小刻みな振動と、お尻の外の巨大な振動が共鳴し、僕の脳を揺らします。
 それはどんどん頭の中で反響し、快感のマグマをグツグツと煮立てます。
「い、い、いくぅ……! ぼ、ぼくぅ、い、いく、いく、いくうぅっ!」
 気持ちいいが爆発します! 足がつり、背中が反射的に反り上がります!
 おちんちんが、ビクビクわなないています!
 ああぁ、くるっ、あついの……、あついの……、上ってくるうぅっ!!
「うああぁぁぁぁっ!!!」
 どびゅううううぅぅぅ! ぶびゅるぅ! びゅうううぅぅぅ! びゅるるっ! びゅん! びゅん!
 びゅうううぅぅぅ! びくんっ! びくんっ! ぶびゅぅぅぅ…!
 今まで体験したことのない長い射精でした。
 大量の精液がベッドにぶっかかり、跳ね、飛び散りました。
「お、おおぉ……。うあぁ……、あああぁっ!」
 え?! な、なんで?!
 僕は絶頂して、全身がビクンビクン引きつっています。もう、限界です……。
 しかし、それでもお姉ちゃんはまだお尻から足を離してくれません!
 ただ、ただ無心に足を震え続けています!
「や、やめてぇ……、おねえ……ちゃん、ぼくぅ、もういってる……、いってるのぉっ……」
「うん。かわいいねぇ、麟くん。もっと、もっと感じさせてあげる」

 ガガッ、ガガガガガッ、ガガガガガガガガガガガガァァッッ!!
 快感の上に快感が乗せられます。僕はケツアクメが止まりません。
 声が、もう声になりません。ただ、動物みたいに泣け叫ぶだけです。
 連続絶頂に、おちんちんは痙攣し、絶え間なく精液を流し続けます。
 全身が震えています。肌がザワザワ震え、膝がガクガク震えています。
 お尻の中も……、外も……。全てが大きな快感のうねりになっています
 やめてぇ、おねえちゃん、もうやめてぇっ……!
 おねがいぃ! おねがいぃ! おねがいいぃっ!
「あはははは、麟くん、すっごい、すっごいかわいいよぉ♪」
 僕の声はお姉ちゃんに届きません。無慈悲な振動がやむことはありません。
「ひ、ひぐぅ……、…………うぅ、…………ッッ!」
 もう、のども枯れて、へんなうめき声をだすだけになってしまいました。
 おちんちんはもう何回いっちゃったか分かりません。
 僕は、もう何にもわかんなくなってしまいました。
 体は勝手に硬直、痙攣を繰り返して、息ができなくなったり、引きつったりしました。
 あぁ、そしてついに……、ものすごく熱いものが……、おちんちんを上がってきました……。
 ぶしゅ! じょおおぉぉ…、じょおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ…。
 ああぁ……、おしっこぉ…。おしっこでちゃったぁ………。
 なんの感覚もない、ただ極甘の痺れしかない僕の腰は、もうそれを止めることができませんでした……。
 ただ、壊れた水道のようにおしっこを垂れ流すだけで……。
 長い、長いおしっこ…。あぁ、でもこれぇ、すごくきもちいぃ……。
 ずっと、ずっとしゃせいしてるみたい…………。
 薄れていく意識の中で僕はそんなことを考えていました。

 ベッドの上で、壊れたオモチャみたいに痙攣している僕……。
 それを面白そうに、ただ見ているだけのお姉ちゃん……。
 このとき、僕たちのスイッチが入ってしまったんだと思います。
 僕たちの本性のスイッチが……。