でかぃ俺、ちびなあいつ。 かず

今高二で帰宅部ですが、中学ん時はバスケしてて、そんときにあった話をします。

俺はちっちゃい頃からバスケが大好きで、中学ん時は顧問とかなり馬があわなかったんですが、それでもバスケが好きってだけの理由で三年間続けました。俺が中学三年になり、入学したての一年がバスケ部に十人程入部してきました。その中に一人、いろんな意味で目を引く子がいました。『たかひろ』って名前で身長は145㌢位でむちゃくちゃ小さく、むちゃくちゃ顔は犬みたいでかわいく、ほんと俺にしたら小動物って感じでした。俺はと言うと、180㌢の72㌔、腹筋も割れ、胸板もきれいに割れていて、そこそこもてたけどたかひろみたぃに全然かゎぃぃとかじゃなくみたくれはいかつかったかもしれません。

『ぉぉ!すげェ!』
ある日のこと。体育館内がバスケ部員の歓声で響き渡りました。俺はちょっとお茶目にガッツポーズ。他の他部員が何事かと俺に視線を送る。
『ついにゃりゃがったか!50本連続スリー(ポイントシュート)!よくやった!』
『ぅす!』
嫌いな顧問だったがお褒めの言葉が嬉しかったし達成感でかなり気持ち良かったんで俺も素直に喜びました。俺の得意技は3Pシュートでした。

(すみません。当時、中三と書きましたが、中二の間違いです。)
夏休みに入って、またある日の走り込みを始めて、一時間経過した時。俺はスタミナもそこそこあったんですが、一年はかなりきつそうでした。
『ほら頑張れェ!』
俺がそう叫ぶと一人の一年がその場にひざまづいてしまいました。それはたかひろでした。俺はたかひろに近づいて腕を引っ張りながら、
『おぃ…たかひろ!…ぉぃ、大丈…。』
そう言い切るまでにたかひろが『ぉぇっ!』と嗚咽をもらしたので、俺が反応的に口の前に手をやると、たかひろがそのまま吐いてしまいました。俺は『まじかよ!』と思いましたが可愛そうだったのでそれを口には出さず、
『おぃ!T!(当時の同じ年のキャプテン)俺の手に吐いてもたし、(たかひろが)やばそうゃから保健室つれてくゎ!』
そうキャプに告げて、軽くそいつを背負って、大急ぎで保健室に連れていきました。その時はラッキー!みたぃな感情は全くなく、本当に焦ってました。

その日の部活が終わって、俺を含む数人の二年が保健室へ足を運びました。
『この子には練習きつすぎたかな…。』
保健室の先生が俺らにそうつぶやきかけました。たかはゲロゲロ吐いて疲れたようで寝ていました。

次の日は部活を休んでいたようでしたが、その次の日は部活に来ていました。
『今日は吐くなよ?気分悪くなったら俺に言えよ!』
と言うと
『ありがとうございます!昨日はすみません…。手ェ汚したり、ぃろぃろしてもらって…。』
『なんのなんの!気にするでない!笑』
とそう言って自分は部活のために彼をあとにしました。

『あ、ゃばっ!』
走り込み中、かなり小さな声でそう聞こえたので後ろを振り替えるとたかひろがふらついてました。俺がTにあごでたかひろを気付かせると、キャプがうなずいたので俺はたかひろに、
『たかひろ!大丈夫か!?』
と言いました。無言だったのでやばいと思って彼を止めて、人気のない風当たりのいい場所へ連れていきました。

たかひろはぐったりしていました。
『ちょっと待ってろ!』
俺は自分のまだ使ってないタオルと部活行く前に買っておいた自分のスポーツドリンクをもって彼のところに戻りました。
『頑張った頑張った!』
座ってうつむいたたかにタオルをかぶせてあげた。
俺は何かの異変に気付ぎふとたかがうつむいた床の先を見ると雫の跡が。涙…。そう察知した俺は少し考え込んで、たかの横に座り、彼の肩をぐっと引き寄せた。たかは驚いて俺を見上げた。
『泣くこたなぃだろ?』
そう言うとたかは、
『泣き虫なんです…。』
少し恥ずかしそうに言いました。俺はそんな彼に胸を打たれたようでした。『俺たかひろが好きだ!』そう感じた瞬間でした。

『なら…俺には恥ずかしがらんくていいから…。』
そう言うと、しばらくしてくすん、くすんとたかが泣き始めました。俺はこのままたかに告白でもしてしまおうかってくらぃにたかが愛しくて仕方なかったんですが、嫌われるのはやっぱぃやなんでただただ彼の頭を撫でてやって慰めることしかできませんでした。後ろに人の気配がしたのでふと見るとキャプが不安そうにしていて、
『なんかあったんか?』
と聞かれ、
『大丈夫。続きやっといて。』
とキャプを体育館に戻しました。

たかひろが泣き止むと、二人で部活に戻りました。その日俺はずっとたかひろを目で追っていました。そして、たかひろを観察して気付いたことが、元々の運動神経は悪くないし、シュートフォームだってきれいだから、うちのチームは平均的に身長が高かったので、周りがもう少し小さかったらぁんなチビでもそこそこできるだろうな!って動きでした。けど、やはり一番気になったのは元気がないこと…泣いた後だからだろうか、笑顔はありませんでした。

『たか!』
部活上がりにたかを呼びました。たかは部活中あまり元気がなかったんですが、俺が呼んだら少し嬉しそうで、苦笑いな顔でこちらに歩いてきました。
『ちょっとお話しょ!』
俺はたかが泣いたあの場所にもう一度連れてきました。その日は一時から六時までの部活で、夕日は赤々と輝いてました。

『…おつかれ②。』
『…はい…。』
…。
沈黙が走る…。俺は結局なんでたかを呼んだのかわかりませんでした。慰めることがしたかったのか?逆に傷つけてしまうかもしれないのに?それとも告白でもしたいのか?たとえ相手がノンケで返事がわかっていても?そんなことを考えているとたかひろから声がかかりました。
『あの…。』
『ぁ、ん?』
『話し聞いてもらえますか?』
俺は期待こそはしていなかったが、少しどきっとしました。
『ああ、何だ?』
『あの…俺前からずっとかず先輩見てたんです…。バスケうまいしかっこぃぃし…。』
俺はまじかよ!と、内心バクバクでした。

『…俺にはないんですよ…。』
『えっ?』
『ぃゃ、…先輩みたいな長所が…。』
『ぁぁ…そぉなのか?』
『先輩でかいし俺チビだし、先輩かっこぃぃし俺童顔だし。先輩バスケ…。』
どうやら告白されるとまではいかなかったが。笑 そこまで言ったところで俺が口を挟む。
『そんなことないだろ?誰だっていいとこはあるだろ?』
『…ですかね…ただバスケに関しては全然何にもできないし、みんなに迷惑かけちゃってないか悩んでて…実際カズ先輩には迷惑かけちゃったし…。』
『…そうだな…たかひろはスタミナがなぁ…。カラダ小さいから仕方ないっちゃ仕方ないけど…。』
『…あの…先輩、俺に3Pシュートたたき込んでくださぃ!』
『…そぉだな…。俺が教えれるっつったらそんなことくらいだな…んじゃぁ二人の秘密で特訓するか!』

それから二人で特訓しました。二人ともリラックスしてできたんで、変なハードな練習より頭のいいたかひろはすぐにコツをつかんでくれました。たまにはスタミナつけるために吐かない程度に走り込みました。そして秋の新人戦ではたかひろは出場させてもらえなかったものの、最後の夏の総体では三年になった俺たちの何人かを押し退け、たかひろは決勝戦まではスタメンででまくって、俺がたかひろにスキができるとパスを出してはたかひろの3Pシュートが入りまくって、21点をも稼ぐ強者となりました。

(漫画みたいな話かもですが、本当の話なんで…すみません。)夏の総体の県大会、二回戦まで勝ち進んだが、ダブルスコアで強豪チームに負けてしまいました。たかひろは三年生の最後の舞台だったので、出場することはなかったが、彼も三年生と同じように泣いていました。(…泣き虫…か…。)俺は試合終了の笛が鳴った瞬間いろんな気持ちがこみあげてきて、あまり泣いたりしない性分だったが泣きました。

総体が終わって、受験モードに切り替える時期である中間考査中のある日に、たかひろに呼び出されました。たかひろへの想いは諦めかけていましたが、諦めきれないその気持ちがまたこみあげてくるようで、かなり胸高鳴りました。
体育館に行くと、たかひろは一人だった。相変わらずたかひろと二人だけの場面にドキドキしてしまう俺。
『先輩。バスケしません?』
『ゃっぱり!?1on1で勝てると思ってんの!?』
『思ってなぃすけど、一点取れば俺の勝ちってことで!』
そういうとたかひろはとっさにボールを持って構えました。
『せこッ!3Pか!?』
俺は反応的にシュートチェック…身長差からは当たり前で、俺の手のひらにぱちんとあたり、ルーズボールを拾って即ジャンプシュート…。
ゴール真下にいたたかがボールをドリブル、また3Pを狙うと、俺はまたジャンプしてブロックに…しかしたかの動作はフェイントで、俺のカラダを擦り抜けました。

(そう…それでいいんだ。)

たかはドリブルシュート。ボールはリングに入りました。
『たか、…タブドリ…。(ダブルドリブルの略語、バスケルール上ドリブル→ボールキヤッチ→ドリブルでファールを取られる。)』
たかはにへらと笑いました。俺はたかの甘さにがっくり。
『惜しかった…。』

結局そのあと30分くらいゲームをしたが、俺が一歩も譲らないままたかはばててしまい、その場に倒れこみました。
『俺には勝てないって!』
俺もその場に座り込むと、たかは3Pシュートを始めました。1本2本…たしか15本ほど連続でシュートを決めました。
『…やるぅ…。』
俺がそういうと、
『先輩…俺前から言わなくちゃいけないことがあるんです…。次のシュート、決まれば俺と…恋人同士として付き合ってくれないすか?』
とたかが言いました。俺はびっくりしましたが、
『入れたら…わかった。』
と言った。
たかは二、三回深呼吸をしてシュート。俺はそのボールをいとおしそうに眺めていました。しかしむなしく、リングにボコンと音をたてて、ボールは大きく左にそれました。

『ぃゃ、ウソっすよ!』
軽くはにかんでみたけど、たかはすぐに俯いてしまいました。肩が小刻みに震えている…泣いてる…。

俺はゆっくりと立ち上がりボールに近づくとそのボールを持ってたかに近づきました。

『たか…俺たかが前から好きやったねん…だからシュート決まるまで打ってほしい…。』

そういうとたかひろはボールを持って構えました。また顔はぐちゃぐちゃでした。シュートを打ったけど、リングをかすめてまた外れました。俺は歩いてボールを取りに行き、
『どこ狙ってんだ!』
とシンケンに怒るとたかはびくつきました。ボールを返すと、今度こそとたかは唇を噛み締め目をぎらつかせ、もういちどシュート。きれいな弧を描きスバッと音をたてて吸い込まれました。

『先輩…ぁりがとぅございます…俺と…つ、付き合ってください!』
えずきながらそう俺に言いました。俺は髪をくしゃっとなでてやると、
『また泣いてんじゃねぇか…。』
『はぃっ…。』
『頑張ったな…。』
『はぃっ…。無理なら無理って言ってください…。』
『無理じゃねぇよ。…俺でィィんだよな…?』
『はぃっ!』
そこまで言ってたかの頭を引き寄せ、キスしました。体育館の外ではすずむしか何かが遠くで鳴いていました…。
たかはちっちゃくてかわいくて肌もつやつやしてて…けどだからこそ、全くHできないままで、この時付き合い初めてから3ヵ月が過ぎた頃でした。Hができない理由…それはお互い忙しいからってのもあったんですが、それよりも、俺はHに興味ありありなのにたかは見た目幼いので、俺とはただ純粋に付き合いたいのではなぃか、って考えた理由から、俺からのアプローチはせず、たかからのアプローチを待ってたからです。けれど3ヵ月間、全くと言って良いほどたかからのアプローチはなく、俺から手を出すと今の関係が壊れそうだったから我慢してました。

冬休みに入って、俺らの同期が部活に参加して、OB戦をすることになりました。久しぶりにたかにあって、俺は試合始まる前に勃起しちゃって大変だった…。笑
試合中、俺の前をたかが走っていました。
『元気だったか!?たか!』
『ぅん!かず君ゎ?(呼び方が変わりました。)』
『元気②!ほれっ!』
と言って俺はたかのケツに軽くタッチ。
『ひぁっ!』
たかはかなりでかい声で反応してしまいました。(やば、かゎぃ。)
『なんだ?』
気付かなかった横にいた同期のある子にそういわれ、
『ぃやぃや。な、たか!』
と言ったらたかは俺とは目を合わせないように顔を背け、なんだか怒っているようでした。

ゃっぱりカラダの関係は求めてなかったのか…たかの反応からは、じわじわとそう感じました。試合が終わって床をモップがけしていたたかに、
『さっきはごめん!おこんなって!』
と言うと、
『…あとで体育倉庫来て!』
と言われました。俺はまさか?と、変な期待を抱いてしまいましたが、みんなが体育館を出るまで、平静を保ってました。

みんなが帰って体育倉庫に行くとマットの上にちょこんと座ってました。俺はゃっぱりいいんだ!と横に座ったら、腕の肉をつねられ、
『もぉ!また変な期待してきたでしょ!』
と怒ってました。
『ごめん…。』
『ごめんちゃうし!あんなとこでケツ触って!ばれるやろ!』
俺は怒られて、反省したのが半分、あとの半分はゃっぱりそんな期待通りにはいかないなと思い、がっかりしてました。しばらくの沈黙…。
『…んもぉ!』
そう言ってたかは俺を押し倒しました。
『俺…いつかずくんがが誘ってくるか、ずっと待ってたんだからぁ…。…かずくん俺に興味なぃんかと思ったぁ…。』
また泣きはじめました。
『俺さみしかったんだよぉ…。』
『…ごめん…してぃぃんかな?』
『当たり前!…けどかずくんはここでぃぃの?』
『【当たり前!】!』
たかの真似をして二人でくすくす笑いながら、俺はたかにキスしました。